業務委託のつもりが『労働者』と認定されたら〜偽装請負のリスクと対処法〜
「業務委託契約を結んでいるから社会保険も残業代も関係ない」と思っていたら、実は「労働者」と判断されてしまった――そんなケースが近年増えています。いわゆる偽装請負・偽装委託の問題です。知らずにやっていたとしても、企業側に重大なリスクが生じます。
「労働者性」はどう判断されるのか
業務委託契約を結んでいても、実態が「労働者」と判断されるかどうかは、契約書の名称ではなく働き方の実態で決まります。労働基準法上の「労働者」かどうかは、主に以下の点から判断されます。
- 仕事の依頼に対して拒否できるか(諾否の自由)
- 業務の内容・方法・場所・時間を会社が指定しているか
- 他社の仕事も自由にできるか(専属性)
- 報酬が時間・日数に連動していないか
- 機械・器具などを会社が提供しているか
これらの要素が「労働者に近い」と判断されると、契約上は業務委託でも、労基法・労働契約法の適用を受けることになります。
認定された場合のリスク
労働者性が認定されると、企業には次のようなリスクが発生します。
- 未払い残業代の請求:過去2〜3年分さかのぼって請求される可能性があります
- 社会保険料の追徴:雇用保険・健康保険・厚生年金の未加入分を求められることがあります
- 解雇制限の適用:「契約終了」が解雇と見なされ、不当解雇として争われるケースもあります
金銭的な負担だけでなく、労働基準監督署の調査や訴訟に発展するケースもあり、経営上の大きなリスクとなります。
企業が取るべき対処法
まず現在の業務委託契約の実態を点検することが重要です。契約書の内容と実際の働き方にズレがないかを確認し、指揮命令関係が強い場合は、雇用契約への切り替えを検討する必要があります。
また、新たに業務委託契約を結ぶ際は、契約書の整備だけでなく、実態として独立した事業者として扱えるかを慎重に判断することが求められます。
「うちは大丈夫だろう」と思っていても、トラブルになってからでは手遅れになることも少なくありません。契約形態の見直しや就業規則の整備については、お気軽にご相談ください。
\ この記事を読んで「うちは大丈夫かな」と思った方へ /
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