「毎月1回以上払い」の原則とは?|給与支払いのルールをわかりやすく解説!
① 賃金支払いの5原則とは?(おさらい)
労働基準法では、賃金の支払いに関して守るべき「5つの原則」が定められています。
ざっくりまとめると以下の通りです:
- 通貨で支払う
- 直接本人に支払う
- 全額を支払う
- 毎月1回以上支払う
- 一定の期日を定めて支払う
今回の記事では、この中でも特に重要な「④毎月1回以上支払う」原則について解説していきます。
② 「毎月1回以上払いの原則」とは?
この原則は、労働基準法第24条第2項に規定されています。
「賃金は毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」
生活の安定のために、賃金は定期的に支払う必要がある――
つまり「バラバラな支給」や「いつも未定な支払日」はNGということです。
③ 対象外となるもの(臨時の賃金など)
なお、この原則の適用外となる賃金もあります。たとえば以下のようなものです:
- ボーナス(賞与)
- 退職金
- 慶弔見舞金 など
これらは「臨時的・一時的な支払い」とされており、「毎月1回以上払い」の原則から除外されます。
【労働基準法施行規則】
第八条 法第二十四条第二項但書の規定による臨時に支払われる賃金、賞与に準ずるものは次に掲げるものとする。
一 一箇月を超える期間の出勤成績によつて支給される精勤手当
二 一箇月を超える一定期間の継続勤務に対して支給される勤続手当
三 一箇月を超える期間にわたる事由によつて算定される奨励加給又は能率手当
④ 「毎月1回以上」って?よくある誤解と実務ポイント
「月末締め → 翌月25日払い」は、典型的な支払例としてOKです。
これは「毎月1回」というルールを満たしています。
ただし注意点もあります:
- 「給与日がいつも未定」や「〇月分が翌々月支払いになる」などはNG
- 「賃金台帳をきちんとつけていない」ことも遅延常習とみなされるおそれあり
あくまで「毎月」「決まった日」にきちんと支払うことが重要です。
また、遡って増額した給与を支払う時は、その直後の給与日に支払う必要があります。
【例】月末締め/翌月25日払
令和7年4月1日からの基本給を増額することが令和7年6月27日に決まりました。
→4・5月の増額分は7月25日に支払う必要があります!
⑤ まとめ:「賃金は“定期的にきちんと払う”が基本です」
この原則のポイントは「締め日」ではなく「支払日」にあります。
労働者の生活を守るためにも、「毎月1回以上、期日を定めて支払う」ことが義務づけられているのです。
企業側も、就業規則や雇用契約書で「支払日」を明示しておくことが重要ですね。
📌 リンク
群馬労働局:賃金支払いに関する事項のあらまし
「一定期日払いの原則」についてはこちらの記事をご覧ください。
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