【令和7年度版】キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)とは?要件と流れを解説
キャリアアップ助成金の中でも、
- 正社員転換までは考えていない
- まずは賃上げから始めたい
という企業で検討されることが多いのが賃金規定等改定コースです。
一方で実務では、
- ベースアップの計算方法を誤った
- 対象労働者の範囲を誤解していた
- 規定改定のタイミングが合っていなかった
といった理由で不支給となるケースも見られます。
今回は、令和7年度の内容をもとに、賃金規定等改定コースの基本的な要件と流れを整理します。
1. 賃金規定等改定コースとは?
賃金規定等改定コースは、有期雇用労働者等の基本給を増額改定した場合に助成金が支給される制度です。
ポイントは、単なる一時的な手当支給ではなく、賃金規定そのものを改定し、恒常的に賃上げすることが求められる点です。
対象となる主な労働者:
- 有期雇用労働者
- パートタイマー
- 派遣労働者 など
2. 支給額(令和7年度の代表例)
支給額は、賃上げ率に応じて段階的に設定されています。
(中小企業の代表例)
| 賃上げ率 | 支給額(1人あたり) |
|---|---|
| 3%以上5%未満 | 5万円 |
| 5%以上 | 6万5,000円 |
※支給人数には上限があります。
※年度により見直しが行われる場合があります。
3. 主な支給要件
実務上、特に重要なポイントを整理します。
✔ 賃金規定等の改定
就業規則や賃金規程を改定し、基本給の増額を明確に反映させる必要があります。
一時金や手当のみの増額では対象外となる点に注意が必要です。
✔ 3%以上の賃上げ
改定後6か月間の賃金が、改定前6か月間と比較して3%以上増額していることが必要です。
ここは計算ミスが非常に多い部分です。
特に注意:
- 残業増による見かけの増額は対象外
- 所定内賃金ベースで比較
- 対象労働者ごとの判定
✔ キャリアアップ計画の事前提出
他コースと同様に、取組前の計画提出が必須です。
改定後に相談しても、原則として対象外となります。
✔ 改定後6か月以上の賃金支払い
賃金改定後、6か月以上継続して賃金を支払い、その実績に基づいて申請を行います。
4. 申請までの基本的な流れ
賃金規定等改定コースも、手続きの順番が非常に重要です。
Step1:キャリアアップ計画提出(※改定前)
Step2:賃金規定の改定
Step3:賃上げ後の賃金支払い(6か月)
Step4:支給申請
特に多いのが、「先に賃上げしてしまった」というケース。
事前計画がない場合、対象外となるため注意が必要です。
5. よくある不支給パターン
実務上、比較的多く見られるのは次のケースです。
❌ 基本給ではなく手当で調整している
❌ 賃上げ率の計算方法の誤り
❌ 対象労働者の選定ミス
❌ 規定改定の記録が不十分
❌ 帳簿(賃金台帳・出勤簿等)の不備
助成金は、制度理解だけでなく、実際の労務管理との整合性が重視されます。
6. まとめ
賃金規定等改定コースは、
- 正社員転換までは行わない
- まずは賃上げから取り組みたい
という企業にとって活用しやすい制度です。
一方で、「賃上げしているから大丈夫」という感覚的な運用では、
要件を満たさないケースも少なくありません。
制度の活用を検討する際は、
- 対象労働者の確認
- 賃上げ率の計算方法
- 規定改定のタイミング
を事前に整理しておくことが重要です。
✅ 申請前の確認だけでも可能です
最近は、
- この賃上げで対象になるか
- 計算方法は合っているか
- 書類整備は足りているか
といった事前チェックのみのご相談も増えています。
顧問契約ありきではなく、まずは現在の運用状況を整理したい、という段階からでも対応可能です。
気になる点があれば、状況に応じて確認できます。
社労士に相談すべきか迷ったら、まずはお問い合わせください。
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