【基礎解説】キャリアアップ助成金とは?種類と申請までの流れを整理します
「キャリアアップ助成金ってよく聞くけど、正直よく分からない」「正社員にすればもらえる助成金ですよね?」
――実はここ、かなり誤解が多い制度です。
キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者の処遇改善を目的とした助成金。
金額だけを見ると魅力的ですが、大事なのは“どのコースか”よりも“申請までの順番”です。
今回はまず、制度の全体像と申請の基本的な流れを整理します。
1. キャリアアップ助成金とは?
キャリアアップ助成金は、
- 有期雇用労働者
- パートタイマー
- 派遣労働者 など
いわゆる非正規雇用労働者の処遇改善を行った場合に支給される制度です。
単に「正社員にすればもらえる」制度ではなく、
- 雇用形態の転換
- 賃金の引上げ
- 社会保険の適用拡大
といった、具体的な改善措置が前提になります。
2. 主なコース(ざっくり全体像)
年度ごとに細かな改正はありますが、代表的なコースは以下のとおりです。
■ 正社員化コース
有期雇用労働者などを正社員へ転換した場合に支給。
■ 賃金規定等改定コース
基本給や賃金規定を改定し、一定以上の賃上げを行った場合に支給。
■ 社会保険適用時処遇改善コース
社会保険の適用拡大にあわせて処遇改善を行った場合に支給。
■ 短時間労働者労働時間延長支援コース
短時間労働者の所定労働時間を延長し、処遇改善を行った場合に支給。
細かい要件はコースごとに異なりますが、
共通しているのは“事前に計画し、実施し、証明できること”です。
3. 申請までの基本的な流れ(ここが重要)
キャリアアップ助成金で一番多いミスは、「取り組みを先にやってしまう」ことです。
基本的な流れは以下のとおり。
① キャリアアップ計画の作成・提出
まずは計画を作成し、事前に提出します。ここを飛ばすと、原則として対象外になります。
② 取り組みの実施
正社員化や賃上げなど、計画どおりに実施します。
③ 賃金支払い
改善後の賃金を実際に支払います。
④ 支給申請
必要書類を添えて申請します。
ポイントは、事後申請はできないという点。
「やってから相談」は、ほぼ間に合いません。
4. よくある誤解
❌ 正社員にすれば自動的にもらえる
→ 要件・期間・手続きが細かく定められています。
❌ 口頭の合意でOK
→ 雇用契約書や就業規則の整備が前提になります。
❌ 書類はあとで整えればいい
→ 実態と整合していない書類は通りません。
前回の記事でも触れたとおり、労働者名簿・賃金台帳・出勤簿などの基本書類は必須です。
5. キャリアアップ助成金は「金額」より「順番」
キャリアアップ助成金は、
- 金額が大きい
- 活用企業も多い
一方で、「順番を間違えて対象外」というケースも少なくありません。
制度を検討する際は、
1️⃣ 今の労務管理は整っているか
2️⃣ 対象となる労働者はいるか
3️⃣ 事前計画を提出できるか
この順で確認するのが安全です。
6. まとめ:まずは全体像を押さえる
キャリアアップ助成金は、
- 正社員化だけの制度ではない
- コースが複数ある
- 事前計画が必須
というのが基本。
詳細な要件はコースごとに異なりますので、次回以降、それぞれのコースを整理していきます。
✅ 検討前の“事前確認”も重要です
最近は、
- 今の状態で申請できる?
- 対象になる従業員はいる?
- 書類は足りている?
といった、申請前の確認だけの相談も増えています。
いきなり申請ありきではなく、「スタートできる状態かどうか」の整理からでも可能です。
気になる点があれば、状況に応じて確認できます。
社労士に相談すべきか迷ったら、まずはお問い合わせください。
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