【令和7年度版】キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)とは?要件と流れを解説
パート・アルバイトなどの短時間労働者について、
- 社会保険に加入させたい
- いわゆる「年収の壁」を意識して働き控えが起きている
といった悩みを抱える企業も少なくありません。
こうした状況を背景に設けられたのが、キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)です。
この制度は、短時間労働者が新たに社会保険へ加入する際に、事業主が処遇改善を行った場合に助成されるものです。
今回は、令和7年度の内容をもとに、制度の基本と申請の流れを整理します。
1. 社会保険適用時処遇改善コースとは?
社会保険適用時処遇改善コースは、短時間労働者が新たに社会保険へ加入する際に、賃上げや手当支給などの処遇改善を行った場合に助成される制度
です。
背景には、いわゆる
- 106万円の壁
- 130万円の壁
と呼ばれる「年収の壁」の問題があります。
社会保険加入による手取り減少への不安を軽減するため、企業側の処遇改善の取り組みを支援する制度となっています。
なお、このコースは期間限定の措置として設けられている制度です。
2. 支給額(令和7年度の代表例)
支給額は、実施した処遇改善の内容などにより異なります。
代表的な例としては、次のようなものがあります。
| 内容 | 支給額(中小企業) |
|---|---|
| 手当支給などの処遇改善 | 最大50万円 |
※対象人数や実施内容により支給額が変わる場合があります。
※制度内容は年度ごとに見直されることがあります。
3. 主な支給要件
実務上、特に確認しておきたいポイントを整理します。
✔ 新たに社会保険へ加入すること
対象となるのは、
- 新たに健康保険・厚生年金保険へ加入する短時間労働者
です。
すでに社会保険に加入している労働者は対象外となります。
✔ 処遇改善を行うこと
社会保険加入に伴い、
- 賃上げ
- 手当支給
- 労働時間延長
などの処遇改善を実施する必要があります。
社会保険に加入させるだけでは、助成対象にならない点に注意が必要です。
✔ キャリアアップ計画の事前提出
他のキャリアアップ助成金コースと同様に、取組前の計画提出が必要です。
処遇改善や社会保険加入の後に相談しても、原則として助成対象外となります。
✔ 一定期間の賃金支払い
処遇改善後、一定期間賃金を支払ったうえで、その実績をもとに支給申請を行います。
4. 申請までの基本的な流れ
社会保険適用時処遇改善コースでも、手続きの順番が非常に重要です。
Step1:キャリアアップ計画提出(※取組前)
Step2:社会保険加入と処遇改善の実施
Step3:一定期間の賃金支払い
Step4:支給申請
特に多いのが、「社会保険加入後に制度を知った」というケースです。
この場合、助成対象外となることもあるため注意が必要です。
5. よくある不支給パターン
実務上、比較的多く見られるのは次のケースです。
❌ 事前にキャリアアップ計画を提出していない
❌ 社会保険加入のみで処遇改善を行っていない
❌ 対象労働者の要件を満たしていない
❌ 賃金台帳や出勤簿などの帳簿が整備されていない
助成金では、制度要件だけでなく、労務管理の整備状況も確認されます。
6. まとめ
社会保険適用時処遇改善コースは、
- 年収の壁への対応
- 短時間労働者の処遇改善
を目的とした制度です。
一方で、社会保険に加入させれば助成金が出るという単純な仕組みではなく、
- 処遇改善
- 手続きの順番
- 書類整備
など、整理すべきポイントが多くあります。
制度の活用を検討する際は、事前に要件を確認しておくことが重要です。
✅ 申請前の確認だけでも可能です
最近は、
- このケースで対象になるか
- 要件を満たしているか
- 必要書類は揃っているか
といった事前チェックのみのご相談も増えています。
顧問契約の有無に関わらず、まずは現状を整理したいという段階からでも対応可能です。
気になる点があれば、状況に応じて確認できます。
社労士に相談すべきか迷ったら、まずはお問い合わせください。
花田勝社会保険労務士事務所では、中小企業の労務相談・手続きを中心に、「現場で動ける実務目線」でサポートしています。
✅ 顧問契約なしのスポット相談も可能です。
✅ 内容に応じて、最適な進め方をご案内します。
▶︎ お問い合わせはこちら

