【こっそり確認】固定残業代って「払ってるつもり」でも違法になることがあります
「うちは固定残業代(みなし残業)入れてるから、残業代は大丈夫」――これ、安心してる会社ほど危ないです。
固定残業代は、制度としてはアリです。でも運用や書き方を間違えると、
- 固定残業代が無効扱い
- 残業代を別で払う必要が出る
- 未払い残業代トラブルに発展
…みたいな流れになりやすい、“落とし穴が多い制度”でもあります。
この記事では、固定残業代でよくある勘違いと、実務で最低限おさえるべきポイントを整理します。
1. 固定残業代って何?
固定残業代とは、ざっくり言うと
あらかじめ一定時間分の残業代を、毎月固定で払う仕組み
です。
たとえば、「月20時間分の残業代を固定で支給する」みたいな形ですね。
2. よくある勘違い①「固定残業代=残業代の支払い不要」
これが一番多い誤解です。固定残業代は、あくまで“一定時間まで”の残業代を先に払っているだけ。
つまり…
- 実際の残業が 固定分以内 → 原則その固定分でOK
- 実際の残業が 固定分を超えた → 超えた分は追加で支払いが必要
ここを落とすと、未払い残業代になります。
3. よくある勘違い②「固定残業代を入れてれば何でもOK」
固定残業代は、書き方が超重要です。固定残業代は、給与明細や契約書で
- 基本給
- 固定残業代(時間外手当)
が分けてわかる形(明確区分)になっていないと、無効扱いになるリスクがあります。
✅ ありがちな危険パターン
- 「月給25万円(固定残業代含む)」だけ書いて終わり
- 固定残業代が 何時間分なのか不明
- 固定残業代が いくらなのか不明
これだと、従業員側から見ると「結局いくら払われてるの?」状態になります。
4. よくある勘違い③「残業してなくても固定残業代は減らしていい」
固定残業代は、基本的に
残業していなくても支給する
という扱いになります。理由は簡単で、固定残業代は“実績に応じた残業代”ではなく、定額で払う設計だからです。
そのため、
- 残業が少ない月だけ減らす
- 残業ゼロだから固定残業代を支給しない
みたいな運用をすると、制度として崩れやすいです。
(※もちろん給与の設計全体として見直すなら別の整理になります)
5. よくある勘違い④「固定残業代が最低賃金を下回っても問題ない」
これ、意外と見落とされます。固定残業代の設計でやりがちなのが
- 基本給を低く設定しすぎる
- 固定残業代で盛って月給を成立させる
というパターン。
ただ、最低賃金や割増計算の土台になるのは基本給等を含めた“通常の賃金”で整理されます。
設計次第では、給与全体の整合性が取れなくなって会社側が不利な計算になりやすいです。
6. 実務で最低限やるべき「固定残業代の安全運用チェック」
固定残業代を導入するなら、最低限この3点は必須です👇
✅(1)固定残業代の「時間数」と「金額」を明記する
例:固定残業代:月20時間分として30,000円を支給
ここが曖昧だと、後から否定されやすいです。
✅(2)基本給と固定残業代を“分けて”書く
- 基本給:〇円
- 固定残業代:〇円(〇時間分)
この“見える化”が重要です。
✅(3)固定時間を超えたら「差額を追加支給」する
固定残業代は万能ではありません。超えた分は追加で払う必要があります。
7. まとめ:固定残業代は「制度」より「設計と運用」で決まる
固定残業代は、合法に運用できます。
ただし、
- 設計が雑
- 書類の記載が弱い
- 実態と整合していない
この状態だと、会社側が“払ってるつもり”でも後から未払い扱いになりやすいです。
特に中小企業は、制度を導入したまま放置して数年後にドカンとトラブル化することが多いので注意が必要です。
✅ 固定残業代、今のままで大丈夫か不安なら一度整理を
固定残業代は
- 雇用契約書
- 労働条件通知書
- 就業規則
- 賃金規程
- 給与明細の表記
このあたりとセットで整えると安全です。
「うちの固定残業代、この書き方で大丈夫?」「超過分の計算、実は運用できてないかも…」
そんな時は、状況を伺いながら整理のサポートも可能ですので、お気軽にご相談ください。
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