「会社に備え付け必須!?」労働4帳簿とは【労基法の基本】

① 労働4帳簿とは?

いわゆる「労働4帳簿」とは、事業場ごとに作成・備え付けることが義務付けられている労働関係の帳簿です。具体的には次の4つです。

帳簿名内容根拠法令
労働者名簿従業員の氏名・生年月日・入退社日などの情報を記録労基法第107条
賃金台帳各従業員の給与支払状況(支給額・控除・支払日など)を記録労基法第108条
出勤簿(またはタイムカード)出勤・退勤時刻、労働時間を記録労基則第54条
年次有給休暇管理簿年次有給休暇の付与日数、取得日数、残日数などを記録労基則第24条の7(2019年法改正)

② 備え付け義務と保存義務

これらの帳簿は「備え付け義務(事業場に整備しておくこと)」だけでなく、「保存義務(一定期間保管すること)」も課せられています。

  • 労働者名簿:退職や死亡後5年間保存
  • 賃金台帳:最後の記入をした日または支払日の遅い方の日後5年間保存
  • 出勤簿:5年間保存
  • 有給休暇管理簿:有給休暇を与えた期間中及び当該期間の満了後5年間

※ただし、経過措置として、当分の間は3年が適用されます。

③ 実務上の注意点

  • クラウド上での管理もOK
    紙だけでなく、電子媒体での保存も可能です。ただし必要な情報が網羅されており、労基署の調査時に速やかに提示できる状態が求められます。
  • 一部の項目が欠けているケースが多い
    特に有給休暇管理簿は、2019年の法改正で新設された比較的新しい帳簿のため、「管理簿を用意していない」「取得状況だけExcelで管理している」というケースも散見されます。
  • 賃金台帳は“額面だけ”では不十分
    「総支給額」だけでなく、残業代・深夜手当などの内訳や、社会保険料控除額、支給日なども含めて記録する必要があります。

④ まとめ

労働4帳簿は、どの企業にも基本的に必要な帳簿であり、労基署調査でも最初に確認される重要書類です。「書いているつもり」「勤怠システムでなんとなく記録されている」といった状態では不十分なこともあるため、今一度自社の運用を見直してみてはいかがでしょうか?


📌 リンク

出雲労働基準監督署:ととのえましょう!法定帳簿

有給休暇の基本ルールの記事も書いていますので、こちらからどうぞ。

ご不明な点があれば、お気軽に👉 お問い合わせください