【実務でつまずきがちな「抵触日」って何?】派遣受入の期間制限をわかりやすく解説!

「この人、もうすぐ3年だけど、このまま派遣社員として受け入れしてて大丈夫だよね?」

…実は、それ、NGです!

今回は、現場でも混乱が多い「派遣法における抵触日」について、2つの視点(事業所単位・組織単位)からやさしく解説します。

① 派遣には「受け入れられる期間の限度」がある

労働者派遣法では、派遣先が派遣労働者を受け入れる期間に制限があります。原則として…

  • 事業所で派遣を受け入れできるのは3年まで(延長可能)
  • 同じ部署(組織)で3年まで という制限があります

この「3年の限度」が到来する日を、それぞれ「抵触日」と呼びます。

② 2つの抵触日:「事業所単位」と「組織単位」

🔸1. 事業所単位の抵触日

  • 派遣を最初に受け入れた日から3年後 → その日が「事業所単位の抵触日」
  • 派遣スタッフを入れ替えてもカウントはリセットされない(人が変わったからOKは誤解!)

📌例:千住支社で最初に受け入れたのが2022年10月1日 → 2025年10月1日が事業所単位の抵触日(=2025年9月30日まで派遣受入可能)

🔸2. 組織単位の抵触日(同一人物)

  • 同じ派遣スタッフを同じ課(組織)で受け入れられるのは3年まで
  • 事業所単位の抵触日とは独立して存在

📌例:営業課→総務課と異動すれば組織単位の抵触日はリセットされる
(組織再編で“課”が分かれたとしても、業務内容や管理系統が変わらなければ“同一組織”と判断される可能性あり)

③ じゃあ、どうすれば延長できるの?

✅ 事業所単位の延長方法

  • 抵触日一ヶ月前までに過半数労組等の意見聴取が必須
  • 過半数労組等に書面で通知(通知の内容は「派遣可能期間を延長しようとする事業所」および「延長しようとする期間」など)
  • 3年ごとに更新が必要

✅ 組織単位の延長方法

  • 「個人単位の3年」は原則延長不可(=受け入れする派遣社員を変更する)
  • ただし無期雇用の派遣社員ならOK!(派遣元との雇用契約が無期であることが前提)

※延長可能なのは「事業所単位の受入期間」であり、「個人単位(同一労働者)の派遣期間(3年)」は延長不可です。

④ 実務でよくある「勘違い」あるある

❌「課を変えたからリセットされる」→ 事業所単位の抵触日は変わりません!

⭕「課が変わったから大丈夫」→ 課(組織)を変えれば同じ人を3年超えて受けれできます!

⭕「無期雇用の派遣ならOK」→ ただし60歳以上や無期雇用に限られます!

✅ まとめ:派遣先・派遣元ともに注意を!

「抵触日」を正しく理解していないと、違法派遣とみなされるリスクも。

特に、受け入れ期間の計算開始日や延長の手続きには要注意です。


📎 参考リンク

厚生労働省:派遣先に皆様へ(派遣先向けに受入れ期間制限ルールなど簡単に確認できます)

厚生労働省:派遣で働く皆様へ(派遣労働者向けに受入れ期間制限ルールなど簡単に確認できます)


花田勝社会保険労務士事務所(所在地:東京都足立区)では、北千住をはじめとした東京・千葉・埼玉・神奈川・茨城等の中小企業の皆さまに向けて、労務相談や雇用・社会保険の各種手続き、給与計算、就業規則の見直しなど、幅広いサポートを行っております。

📩 お気軽に👉️お問い合わせください
また、LINE公式アカウントでもご相談お待ちしておりますので、QRコードからぜひご登録ください。