【労基法第37条】残業代の基礎に含める手当、ちゃんと入ってますか?
「うちは残業代、ちゃんと払ってるから大丈夫」
そう思っていても、実は“割増賃金の基礎”の計算方法が間違っていた…という企業が少なくありません。
今回は、労働基準法第37条に基づく「割増賃金の基礎に含める賃金」について、実務上の注意点を解説します。
✅ 労働基準法第37条とは?
労働者が法定労働時間を超えて働いた場合、企業は割増賃金(いわゆる残業代)を支払う義務があります。
法定労働時間外 → 25%以上の割増
休日労働 → 35%以上の割増
深夜労働(22時〜5時) → 25%以上の割増
これらは、通常の賃金に上乗せする形で支払う必要があります。
💰 割増賃金の「基礎賃金」には何を含める?
原則として、すべての賃金が基礎に含まれるのが基本です。
ただし、労働基準法施行規則第21条により、以下の7項目は除外が認められています。
🟥 割増賃金の基礎から除外できる7つの手当
- 家族手当(家族数に関係なく一律に支給する場合は除外できない)
- 通勤手当(距離に関係なく一律に支給する場合は除外できない)
- 別居手当
- 子女教育手当
- 住宅手当(住宅の形態に関係なく一律に定額で支給する場合は除外できない)
- 臨時に支払われた賃金(慶弔見舞金など)
- 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
🔶 よくある誤解:
「皆勤手当」「精勤手当」「職務手当」「資格手当」などは、通常の労務提供に対する対価であり、原則として含める必要があります。
⚠ 実務上ありがちなミス
- 割増賃金の基礎から職務手当などを除外してしまっていた
- 給与計算システムの設定ミスで自動的に除外されていた
- 社内で「除外してもいい」という誤認識が共有されていた
➡️ このようなミスは、未払い残業代の指摘や是正勧告につながるおそれがあります。
🧾【参考】鳥取労働局のパンフレットで注意喚起!
鳥取労働局が公開している資料でも、手当の誤った除外が多く見られることが指摘されています。
✅ まとめ|あなたの会社は大丈夫?
✔ 就業規則や賃金規程に「割増賃金の計算基礎に含まれる手当」が明記されていますか?
✔ 給与明細にある各手当が、正しく残業代に反映されていますか?
✔ 給与計算ソフトの設定、チェックできていますか?
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